精油(エッセンシャルオイル)について

植物は、太陽や月、大地、水、空気、音など、自然界のリズムの中で強い生命力を持って、たくましく生きています。厳しい環境の中で、成長、自己防御、繁殖などに必要な「芳香成分」を自らの中に作り出します。
それは、自らが環境に順応し、適応して生きていく植物のしなやかでありながら強い力です。それが精油(エッセンシャルオイル)となり、その一滴には植物の生きるエネルギーがギュッと凝縮されているのです。

精油は、植物の花や葉、樹皮や果皮などから抽出された揮発性・芳香性の物質で、主に「水蒸気蒸留法」や「圧搾法」で抽出されます。

原料によってさまざまな香りや特性を持ち、アロマセラピーではこれを目的に応じて利用します。

  • ☆精油は100%天然のものを!
    原則として、100%天然成分のものだけを「精油(エッセンシャルオイル)」と呼びます。現在では200~300種程度の精油が存在しますが、抽出には極めて多量の原料を必要とするため、なかには大変高価なものもあります。
    希釈したものや香料などを添加したものは『アロマオイル』や『ポプリオイル』などと呼ばれ、精油と混同される方もいらっしゃいますが、比較的安価なそれらとはまったくの別物です。
    アロマセラピーを行う場合は、必ず「精油(エッセンシャルオイル)」を使いましょう。

●精油の作用(一部紹介)

◆心身への作用

鎮静作用・・・
神経系の働きを鎮め、心身の働きをリラックスさせる作用。
抗不安作用・・・
不安を和らげる作用。
消化促進・食欲増進作用・・・
消化器官の働きを促進し、食欲を刺激・増進させる作用。
また、胃の働きを活発にすることを健胃作用といいます。
ホルモン調整作用・・・
ホルモンのバランスを調整する作用。
◆細菌やウイルス、虫などに対する作用

抗菌・抗真菌作用・・・
細菌や真菌(カビ)の増殖を抑え、感染を予防する作用。
抗ウイルス作用・・・
ウイルスの増殖を抑え、感染を予防する作用。
昆虫忌避作用・・・
蚊など昆虫を寄せつけない作用。

●精油の種類(一部紹介)

◆ラベンダー

【学名】Lavandula angustifolia
【科名】シソ科
【主な産地】フランス 他
【抽出部位】花と葉
【抽出方法】水蒸気蒸留法

フローラルで優しい洗練された香り。とても穏やかな精油で、
ストレスや不安、極度の緊張など、リラックスしたいときや
眠れないときにおすすめです。

◆オレンジ・スイート

【学名】Citrus sinensis
【科名】ミカン科
【主な産地】アメリカ、ブラジル 他
【抽出部位】果皮
【抽出方法】圧搾法

オレンジの果実そのままの甘く温もりのある香りで、多くの
人に好まれる香り。気分を明るくしたいとき、ホッとしたい
ときおすすめです。

◆ユーカリ・ラジアタ

【学名】Eucalyptus radiata
【科名】フトモモ科
【主な産地】オーストラリア 他
【抽出部位】葉
【抽出方法】水蒸気蒸留法

爽やかでシャープでクリアな香りの中に、柔らかさとマイル
ドさを併せ持つ香り。ユーカリの中でも一番刺激が少なく穏
やかで、ほどよい刺激が気持ちを引き上げてくれます。